yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

シャーロット・ブロンテ「ジェイン・エア」

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

「生きていく力」

2019.09.11


ここ最近はずっと「ジェイン・エア」を読んでいた。

作者の作品についてはまるで知らなかったので雰囲気も分からず、上下巻は長く感じるのかなと思っていたのだが、すなおにほんとうにおもしろくて、毎日読み進めるのがたのしみだった。

読みながらも、読み終わってからも思うのはこの物語は恋のお話でもあるけれどそれ以外にも様々な要素が詰まっているということだ。
というのもわたしは一気に読み進めたのは主人公ジェイン・エアの自立心によるところが大きかったから。

身寄りなく苦難と共に生きる主人公の物語はこれまでにも読んできたが、また古い作品には少なくない設定だが、まったくあたらしい物語としてたのしむことができたのはやはり彼女が「生きていく力」にあふれていたからだと思う。

育つ家庭では度々ひどい仕打ちを受けるので、そういった場面は辛くもあったのだが、立ち向かうすがたからは彼女の燃えるような目がみえるようで、いつのまにか彼女の視点から彼女のみる景色をみる、ようになっていたのだった。

やがて通うことになる学校での生活、はじめてできた心通わせられる友人、その友人の書かれ方も魅力的で、というのは後に主人公が恋するロチェスターも同じく、一人ひとりが、外見の魅力ではなく内に秘めているもの、過去あってのまなざしや影、それでも尚信じてきたものなど、精神をメインに書かれていたから、ジェインをみながら自立心について考えられたように、また「美しさ」についても問いながら読めたのだと思う。

わたしにはジェインの強さは時に恐ろしくもあった。自分の弱さや狡さが浮き彫りになるからだと思う。
受け入れがたい事実に直面したときも、ひとり夜道をさまよい歩いても何事もまずは自身のこえをきくジェイン。
もうすこし楽にも生きれただろうに、簡単に済ませられたこともあっただろうに、ジェインの生きていく力に、これからのことやこれまでのこと、考える時間をたくさんもらえたのだった。

読み終わってから映画もみてみた。
古いのもあるようだったけど、みたのは2011年の作品。
原作を読んでからだったので、たくさん端折られてるのも気にならなかった。小説にしかできないことがあるように、映像作品にしかできないシーンの切り取られ方や色彩、衣装など、ずっと頭の中にあった想像の世界が形としてあって、小説ではジェインの自立心を、美醜についてを、映画ではジェインとロチェスターふたりの間の葛藤を中心にみられてああ、すてきだったなあ。もっと違う風を想像していたとか原作と比べてみたりなど、前までは原作を気に入ると映像をみるのが勿体無いような気がしていたけど、この頃はどちらも選ぶのがたのしい。

作者の、それからブロンテ姉妹の他の作品も手に取ってみたいなと思う。