*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「選択肢があったなら」
2021.01.28
戯曲だから、ほとんどが会話だけど、
読んでいると各々がどんな人間か、どんなふうに生きてきたかが想像でき、一気読み。
読み終え、一番に思うのはブランチの描写が辛くて。
地主の家で育ったブランチは、
今では不幸が重なり、行くあてが無い。
それなので妹の家へ来たけれど、そこでも上手くゆかず。
きっとこの作品は様々な読み方ができるのだろう。
育ってきた環境の違いとか、人間の欲望とか、過去の記憶とか、それと現実との折り合いとか、人間の持つ本質とか、性、以外にも様々な……
なので暴力的な妹の夫のことも、その夫を愛している妹のこともすべて読めば背景があり、わからないでもない。むしろ、どんな人間の中にも自分の要素ってある(ブランチのほうも妹の家のこと馬鹿にしたり、夫のこと馬鹿にしたりでなかなか偏っている)。
が、やっぱりブランチに、選択肢があったなら、と思うのだ。裏の生活がバレて、やいやい言われていた場面あったけれどそれがなんだよ、と思うわけで。それに最後のほうで受ける仕打ちはあまりに酷すぎる。
選択肢があったなら、というのは前に読んだ「高慢と偏見」でも思った。
シャーロット・ルーカスのことで。
作品自体はユーモアたっぷりだけど、
ある意味生活の為、結婚を決めたシャーロットに対しジャッジが向けられたときしんどかった。
だって、なんでそれでシャーロットというひとりの人間の何かが決まるの?
むしろ、なんでシャーロットがその道を選んだか、そこに目が向くべきだと思ったから。そして、選択肢があったならまた変わっていたかも。「たら」なんて無いけれど……。
作者が後書きにて、ブランチは自分自身だと言っていたのを知ったけどそれは自分もそう思った。だからブランチの最後は辛い。
そういえば、
ブランチがなんども風呂に入るのが面白かった。生まれ変わったように思えるからと言ってなんども。
確か、「チボー家の人々」でも大きな局面で風呂に入っていた気がする。清める為に。
という今、風呂で書いていたわたしはただの冷え性。
サッパリしてまた頑張ろう〜! と言い聞かせる。