*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「エネルギッシュな姿に魅せられて」
2016.10.03
「いつもひとりで」というタイトルに惹かれたのと、背表紙のあらすじに興味が湧いて。
読んだのは文庫本、
単行本が出たのは2000年ですでに16年の月日が流れているのですが、読みやすく、一気に読み終えました。
ひとつひとつのエピソードは短く、淡々と、何気ない日々のことが書かれています。
たびたび出てくる「食」のはなし。
「外食先で、ついつい味を加えてしまう」
「母親が作ってくれたコロッケ」
「アメリカでの食生活」
描写が美味しそうで、出来立てほっかほかを想像してしまうのでした。
家族のエピソードが痛快。
昭和の男をそのまま体現されたような小説家の父。その横で甲斐甲斐しく世話をする母。よくできた兄。
ちゃぶ台がひっくり返りそうな光景にヒヤヒヤしつつも、どこか和むのでした。
突然思い立ったアメリカでの暮らしも、印象的でした。
アメリカは、人と話すときアイコンタクトを重視するのだとか。
初めは大きな目でじっと見られることに照れたそうですが、日本に帰ってきたとき、ひとりとして目が合わないことに、また誰もが下を向いて忙しなくする姿に、少し悲しくなった様子が書かれていました。
エネルギッシュな阿川さん。
ほかの作品も手にとってみようと思います。