*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
2016.12.08
本書は、アメリカで活動されていたころのエッセイです。
出版されたのは1994年、ずいぶん昔ですが、それはそれで当時のアメリカのこと、またアメリカから見た日本が書かれていて興味深く読みました。
例えば、マラソン大会の違いについて。
アメリカの場合「あ、なんだか今日は走りたい気分だな」と思えば当日申し込むこともできるそうです。
一方日本では、制約があっておおよそ一か月前には申し込まなければならない。
そんなに前から走る意欲を持続させるのはしんどいと書かれていました。
そして当日、いざ走ろうと気合を入れても、大会運営者やお偉いさんなどの挨拶やらでなかなか始まらないのだとか。笑
ほかにも美容師の技術の違いについて触れられているのですが、店に入るなり得意げに話す美容師に少々の疑いをもちながらも任せていたら、切り終わった自分の顔を見て仰天、しばらく家から出たくなかったという記述には声を出して笑ってしまいました。
この床屋エッセイは本当におもしろかった……。
ほかにも日本車と外車について、ジャズについて、広すぎるからこそのアメリカの文化など。
翻訳も精力的にされていてすごいなあと思います。翻訳された日本作家の文章を、もう一度日本語に戻すとどんなふうになるか、というのもあって飽きない一冊でした。