yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

ジェイン・オースティン「ノーサンガー・アビー」

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

 

「愛おし過ぎるキャサリン

2020.03.15

 

すごい笑った。
そしてお話のほうもユーモアたっぷりでなんども笑いながら読めてたのしかった。ページをめくる手がとまらなくて数時間で読み終えてしまった。

主人公キャサリンは夢みがちな所があって、とても近しく感じながら読んだ。彼女は小説を読んで想像の世界にすぐ羽ばたいてしまう所があるので、現実とその世界とが一緒になって、はじめて訪れたお屋敷ではどんどん止まらずひろがっていく妄想の描写に帰ってきて〜!と思いながらでもおもしろく愛おしく思いながら読んでいた。また自分もすぐ妄想の世界に入り込んでしまう所があるので、笑いながらギクッとしながら。
それからキャサリン以外のほかの登場人物の描かれ方もおもしろかった。特にキャサリンに途中思いを寄せるジョン・ソープ。彼は自惚れ屋で馬車の自慢ばかりしており、キャサリンのほうも自分を思っていると信じて疑わないし、なんなら自分が格好良く見え過ぎてやしまいかと心配しているくらいなのだった、心配不要にもかかわらず。つらみー!
でも最初のほうキャサリンはまだ何も知らないせいで、ジョン・ソープの振る舞いを見ても立派な人だとしか思っていなかった。彼女の両親は善良な人で、そのような環境で育ったのと、まだ17歳なので無理もない。しかし徐々になんやのこいつ……と違和感を抱き始めたキャサリンその調子いい!と思ってまた笑えてきて仕方なかった。
恋のお話でもあるけれど、一人ひとりの描かれ方が何より読んでいてひきこまれた。
以前にも、オースティンの作品は少しだけ読んでいたのだけど、翻訳が読みやすくてちくま文庫から出ているのを全制覇したい気持ちになった、まったく今年はヘッセをひたすら読みたい読みたいと言うてたのはどこのどいつや、わたしだ、次からつぎへと「読みたい」が止まらなくて困っています。