yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

ジェイン・オースティン「自負と偏見」

 

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

「脇役含めてみんな面白い」

2020.03.24

 


ジェーン・オースティンをぜんぶ読みたいなと思っていた所、家の本棚にいつ買っていたのだったか、新潮文庫の「自負と偏見」があったので読んでみた。

わたしがオースティンの小説を面白いと思うのはやっぱり人物描写だ。それも脇役がとびきりいい。以前「ノーサンガー・アビー」を読んだ際も、ある人物の描写で大いに笑わせてもらった。

だけでなく、いつのまにかその人物の登場を待っている自分がいるというか、憎めない、愛すべき人物として心に居続けてしまう。作者が愛とユーモアをもって書かれているからだと思った。
今回の「自負と偏見」の脇役も同様。
まずはミスター・コリンズ。彼の大げさで長ったらしい演説には吹き出しそうになる。でも吹き出しそうになるのは自分にもこういう大げさな所あるなあと思うからで、またミセス・ベネット。娘たちのことになると冷静さは皆無、かと思えば望みが叶えばころっとわめいていたことは帳消しになっていたり笑える。ミスター・コリンズと同じく、わたしの中にもミセス・ベネットがたくさん居るからで分かるで、と思いながら他にも望まれていないにもかかわらず歌い出す妹など(2度目の分かるで!辛い!)日常の合間にちびちび読んでいる間人間らしい登場人物たちをたびたび思い返していた。
そして肝心のお話のほうも面白かった。
おおきなことはほとんど何も起こらないにもかかわらずあらゆることが心の中では起こっている、というのはわたしは大好物だ。わたしは人の考えていることに興味がある。改めて思った。さて次のオースティンはどれにしようかな。