yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

カレン・ジョイ ファウラー「ジェイン・オースティンの読書会」

 

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

 

 

「オースティンの読書会に行ってきたぜ」

2020.09.29

 


本の中で、だけど。

この「ジェイン・オースティンの読書会」はオースティンの長編小説をすべて読み終えたら、読みたいとおもっていた。

 

それで読んでみたらめちゃくちゃおもしろかった。一気読み。分厚かったけど。
読み終えていまつくづくおもうのはオースティンの小説ってほんまに日常ととなり合わせでいつも居てくれるよなあと。それにお空から見られてる気になる。
なので読み終えて、雷にうたれたように衝撃をうけたとか、なみだがとまらないとかはぜんぜん、ないのだけど常にそんな居心地があるから、本棚の一角にコツコツ読んで集めたオースティンコーナーがあって、きっと今後も読み返すだろうなあ。もしかしたら、上に書いた雷うたれたのより、読み返すかも。
とかおもったりする。

題の通りこれはオースティンの小説について読書会のメンバー六人がより集まって語り合うお話だ。
とはいえ、ずっとたえずオースティンの話が続くのではない。
もちろん所々でオースティンの言葉が挟まれたりとかメンバーが登場人物たちについて、あーだこーだと議論する場面はあるが大半はまさにオースティンの小説のように六人それぞれのことが、過去や、性格や、現在やらに焦点があたっている。
いろんな人がいるからこそ、そのいろんな人らが同じところに集まるとより一層各々の輪郭がクッキリとして、そこが読んでいて(現代だから電話もあればメールもあれば逆をいえば馬や城は出てこないけど)いつでも人はおもろい。
そんな“おもろい”が馬や城の時代に書かれたから、読書会のメンバーもいまだにあーだこーだいえるのだ。
それもじぶんに置き換えるなどして。

というのはわたしもそのひとりだし、「ノーサンガー・アビー」を読んで小説にむちゅうになり、空想から帰ってこられないキャサリンだったり、ほかにもナルシストに冗長に語り続ける人物、心配性過ぎておかゆばかりすすめる人物、自慢ばかりしてる人物、など、
書き出したらキリがないが、うわここにもここにもじぶんおるわーとおもってやめておくれー、となっていた。&笑えてきて仕方ない。反省して素晴らしく生きようというよりかは人間誰しも、いろいろな面があるのだ。良い面も見方によっちゃ変われば、逆もしかり。

だから時々オースティンの声がふってくる。

“彼女はいつなんどきもほどほどというのを知らなかった。つい昨日までは世界だの宇宙だの、人生だのと壮大な考えを抱いていたものの、じっさいは寝転んでいただけだし、それに肝心な目の前のこと、サランラップのストックが切れていることは忘れていたのだった”

って、もちろんそんなことは一ミリも書かれていないが、話がそれた!

ひとりめのジョスリンは世話好きのひと。仲を取り持ったり、誰かのことを気にかけたり、オースティンの小説にもこういうひとは出てくる。独身女性で自立心が強い。犬のブリーダーをしてる。

ふたりめシルヴィア。図書館司書。ジョスリンと同い年。親友。とつぜん夫に離婚を切り出される。

さんにんめその娘、アレグラ。
三十歳。感受性が強過ぎる。アクティブ。アクセサリーの販売をしている。レズビアンで、とてもうつくしい。

よにんめバーナデッド。六十七歳。
結婚と離婚を繰り返している。様々な驚く過去をもっている。

ごにんめプルーディー。二十八歳。教師。筋金入りのオースティンファン。

さいご、グリッグ。
唯一の男性メンバー。SF小説の大ファン(彼がおすすめのSF小説がたくさん登場する。読んでみたい)。家は本だらけで、姉たちにかこまれて育ち読書会にもすぐ馴染んだ。

ほんとうにざっと書いたらこんな感じだけどみんな悩みを抱えていたりとか(そらそーだ)

 

なによりおもったのは、
わたしはまだぜんぜん読み終わってないということだった。
というのは、主人公そっちのけで結構脇役にフォーカスしておもしろいなー、とおもって読んでいたりしたので、あれ、そんなひといたかなー、とかそんな言葉あったかなー、とか。
もちろんなつかしいとおもう場面もあり(ってまだ読み終わったとこやけど)たとえばお芝居の場面、それからダンスパーティーなどの場面はオースティンの小説にも出てくる。

あー早くまた読み返さないかん。
たのしみ、
そしてたのしみその2きょうのよるはこの映画版をみてみよーう ◡̈!