*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「難しかった。が、考えたこと」
2020.10.01
「ジェイン・オースティンの読書会」を読んで、読んでみたくなった。SF小説好きの登場人物が、紹介していたのだ。まったくSFを読んだことのない登場人物に(反対に彼も、読書会をきっかけにしてオースティンをはじめて読んでいた)。
紹介されていた作家は、ル・グィン。
本に出てきた「闇の左手」は難しそうだったので、「ゲド戦記」を読もうかと迷い、「オルシニア国物語」が短めで、初めてには、と教えて頂いたので手に取ってみた。
九つの短編集だった。
作品の最後には、年代が書かれている。
タイトルの「オルシニア国」で起こった出来事たち。
時系列はバラバラで、けれど、同じ名前の登場人物が出てきたと思ったら孫だったりとか、繋がっていた。
難しかった。
でも、自由とは何だろう? と思った。
それから芸術のある意味とか。
オルシニアという国は、どこかの、東欧に似た、国。
住まう人々は皆、閉じていた。心もそうだったし、実際、捕われている人もいたし(戦争など、オルシニアにも、国の情勢が、人々の暮らしに影を落としている)、ずっと同じ場所で暮らしてきて、景色を見てきて、逃げ出したくて、でも……というような、閉塞感、諦め、とはいえ、当然そこには暮らしがあり、恋があり、会話。ちいさな光。生きている、人々。
読んで、勇気が大切だと思った。
自分には、なかった。
閉じていかず、生きてゆかねば。
物事を見て、きちんと向き合っていくこと。一つひとつで良いから、やってゆこう。
お次はゲド戦記も読んでみよう。