*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「心えぐられ一気読み」
2020.06.19
最近はメルヘンチックな物語でメルヘンチックな気分に浸っていたので久しぶりにこんな心えぐられる小説読んだけど凄い面白かったし一気読みだった。
はじまりから核心ついてくるので秒でメルヘンから戻されましたわ。
それでこれは家族小説で老夫婦になったふたりの過去と今とが書かれています。
かつて恋人を持って家族から一時期離れた夫、へ向けての当時の妻からの手紙とそれらを今になって見返した夫の回想と、からの娘・息子たちの今とを読んでいると文章の良さに加えてやめてんかと言いたくなるリアルさでページをめくってしまう、
妻からの手紙を読めば感じるところあればそれがクルッと反転したら複雑極まって、更に娘のも入ってきて絡まり合ってなにがこうでああでとかいうよりもぜんぶが題の「靴ひも」のようにぐちゃぐちゃで始まりも終わりも分からんほどの傷だらけだった。
っていうのはでも誰しもが、どこの家族もが、同様に、違いこそあれ、抱えてるものやんなあとかしみじみした一方で「違いこそあれ」と書いたところやけどさほど変わらんのかもとも思った。
で、
リアルに触れると心えぐられるにもかかわらずいつも心軽くもなるのはなぜ。傷つけ合って惹かれて耐えて滑稽でその他諸々そんなよく分からん時間の塊がでも一番「生きてきた」感じで濃いよなあと思って、とても面白かったです。