*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「フラットな目がほしい」
2017.02.08
「男友だちを作ろう」を読み終えた。
タイトルに惹かれたのは私は男友だちがいないからで、いや、作ろうとしてこなかったほうが正しいかもしれない。
低学年のころは手をつないで帰ったり、宝探しに出かけるなんてこともあったのに……そういえばみんなどうしているだろう、なんて思う。
ということは「いた」というのが正解か。
とにかく、成長するにつれて、女友だちばかりになった。
お笑い芸人、写真家、大学生、アーティスト。
著者はさまざまな人に会いに行って、話す。
仕事、好きな季節、趣味、これからの人生のこと。
インタビューほど緊張感はないけれど、さらっと出る言葉に芯が見えた。
エッセイストではなく小説家だから「小説家の書くエッセイ」が書きたいと書かれていた。
そのとおり、待ち合わせの喫茶店の雰囲気、会話の間、お互いの緊張感などが伝わってきて小説を読んでいるようだった。
本当は、誰かに対するイメージなんてイメージでしかないのかもしれない。
先入観は、時に頭で暴走しがちだ。
あとがきに書かれているように、異性イコール恋愛の対象と決めつけるなんてもったいないことかもしれない。
フラットに見られなくなったのはいつからだったか。
性別、職業、年齢、環境、外枠を全部とっぱらって会話できる、そんな人生だったらきっと楽しい。
そのためにはまず自分が、ガチガチに固まった先入観を追い払いたい。
パワーをもらえた一冊だった。