yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

「夢のように日は過ぎて」田辺聖子

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

「アラヨッ!」

2019.08.10


「夢のように日は過ぎて」を読んだ。

田辺聖子さんの作品は、ほんとうにいつも「田辺聖子さんワールド」で秒で引き込まれる。
この作品は古本屋でみつけたのだけど、平成四年発行と書かれてあって、そのときわたしは四歳で、でもいま読んでも抜群に面白いし、あたらしいしなにより元気をもらえる。
主人公のタヨリさんがまぶしい。
「アラヨッ」という掛け声をたいせつにしていて、いろんなこと、仕事も恋もじぶんの直感を信じ、柔軟に駆け抜けていくタヨリさんのパワフルさがやっぱりわたしは好きだ。
たとえばじぶんの考えとは違う相手があらわれても、古い価値観で話されても(何をいうとんにゃあコイツ!)と思いはするが、そのひとの話し方とか雰囲気の中にも可愛げをみつけたりして、それこそ「アラヨッ」と場をたのしむ強さをもっているから。
自家製の化粧水をつくってお肌ツルツルのタヨリさん(その名もタヨリ水!かわいい!)、気分に合わせてどんな年齢にもなれるタヨリさん、田舎へのひとり旅をたのしむタヨリさん、どんなときも物事をいろんな角度からみれるタヨリさんは強さと同時にやさしさも持ち合わせているひと。
これからもたくさん、わたしは田辺聖子さんの小説を読んで生きていきたい。タヨリさんの「アラヨッ」精神からまた力をもらえた。