*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「強く心に残りました」
2020.07.03
またなんとなく手に取ってからの一気読み。
気付けばもう朝方でどっと疲れたけど読まずにはいられなかった。
続きが気になるよう少しずつ明かされる手法だったのもそうだけどそれよりもわたしは生きることそのものを問うているような作品には弱いのだ。
なんていうのはいつも迷っているからだけど、すぐ何かにすがりつきたくなる弱さがあるからだけど途中でやめられなくなるから困ります。やれやれ。
読んだのは「情事の終り」で最初手に取ったときは信仰が関わっているとは想像していなかった。
題の通りそのまま関係のほつれや憎しみなどが書かれているのだと思っていたらそれ以外にも、というかそれ以上に信仰とも深く関わっているお話だった。
大まかにいえば主人公である作家ベンドリックスがかつて関係を持っていた人妻サラについて、ひたすら考える話。
というか考え続けざるを得ない話。
なぜならベンドリックスは憎むほどにサラのことを愛していたから。読んでいたらそのままだけど愛と憎しみとは表裏一体なのだなあと、改めてそう思った、無関心は入る余地はないのだなあとも。
なぜサラは離れていったのだろう? という疑問に取り憑かれていたベンドリックスはサラに探偵をつける。そのことによりベンドリックスはサラが去った理由を知ることになるのだけれど……。
読み終わり感想をここにぽちぽち書いているけれどもまだもやもやとして考えはまとまらない。
信仰とは日常では大きく聞こえる言葉でもわたしたちは絶えず心で己と対話し続けているからだと思った。