*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「短編って中毒性があるなあ」
2020.06.27
「恋しくて」、なんとなく読み始めたら止まらない短編集でした。
いまは七つ目の短編まで読み終えたところなのだけど七つ目のアリス・マンローの作品を読んだらぐったり疲れてしまい。
というのはいつも思うけれど作者の作品はわたしは言葉の一つひとつにしがみつかないとすぐおいていかれるところがあり、でもそこが読んでいて贅沢だなあと。
短い中にぎゅっと凝縮された言葉を追うのは背伸びの気持ちがあって素敵やなあ。
相手との空気が見えないけど見えるようで。
でもきっとボーッと読んでいたら見逃していただろうからしんとした部屋でまた読むぞと気合いで再読したい。
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それからペーター・シュタム「甘い夢を」は以前にも読んだことがあったのを思い出したり、「運命と復讐」という長編が面白かったローレン・グロフの短編もダークで妙に中毒性があってたのしめた、
のは他にもいえることで短編にはやっぱり謎の中毒性がある。言葉の選択の。むかしは短編の良さをわかっていなかったのが勿体ない。長ければ長いほどワクワクしていたけどどちらにも良さがあってアンソロジーはいろんなのをたのしめるから良いなあと思った、この本では「恋しくて」のとおり恋愛がテーマになっていたわけだけど恋愛といってもいくつものまっすぐなのからねじれまくったのまであって。