yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

チャールズ・ディケンズ「デイヴィッド・コパフィールド④」

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

 

 

「ミスター・ディケンズ

2021.04.24

 

デイヴィッド・コパフィールドを読み終えた。

最後は、お伽話のように物語は丸く収まって、ちゃんちゃん、という感じで終わった。

私は、この作品と比べたら、「大いなる遺産」のほうが好きだったけど、でもやっぱり、個性豊かな登場人物たちばかりで、

特に、大好きだったのはユライア・ヒープで、

もう一人大好きだった主人公の伯母、強くて、初めてお目にかかる人は驚くくらいの、魂の持ち主だったけど、読み終えてみればその伯母をも上回る、私は、欠点だらけのみんなから嫌われまくっていた最後には牢屋の中にいた(しかも、充実しまくっていた笑)、ユライア・ヒープさん、あなたが悔しいけど一番だ!

さて、同時にちびちび読んでいた「ミスター・ピップ」。

 

これは繰り返し読んでいる物語で、

島の安全が不安定になって、子どもたちは新しい先生、ミスター・ワッツと共に「大いなる遺産」の世界へと羽ばたくけれど、その授業がいざ始まることになったまえの日、ミスター・ディケンズ、という人について、なにやら学ぶらしいと知り、すると親たちも、そのミスター・ディケンズとやらはきっと、色々知っているだろうから、我が子たちに発電機を修理してもらえるかなど、どっさり注文をしておくのだった。

みんなそわそわして、ミスター・ディケンズを待っていた。
本の作者、ということは知らずに。

最後、「ミスター・ピップ」の主人公マティルダは、
辛く、悲しく、残酷な経験をした後に(すごく胸が痛む場面だ)、
いつも心に居た、「大いなる遺産」の主人公ピップ、そしてそれを書いたミスター・ディケンズに深く関わる人生をおくっていくことになる。

デイヴィッド・コパフィールドは、
「今ここ」から見ると……という描写も度々あるし、ずっとお祭り騒ぎだし、聖人に描かれ過ぎている人物もいれば、主人公もいつだって勇敢で、間違いがないので、それもあって私は自分と同じくダメダメな所盛りだくさんの、ユライア・ヒープが好きだったし、

また、改めて、私は「大いなる遺産」や、「デイヴィッド・コパフィールド」を楽しんで読んだ、というよりは、もちろんそれもあるんだけど、それよりも、ミスター・ピップを読んだことではじめて知った、そのときの思い出も込みで島の葉っぱだらけの教室で授業を受けるみんなを思い浮かべながら読む、まるで知らなかった物語について、というその時間が今でも、好きなのだ。