*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「仕事のやりがいって、なんだろう」
2016.11.23
「督促OL修行日記」。
以前書店で「これはただの仕事本ではありません」と書かれたポップを見てから気になっていたのですが、そのときは「督促……?はて、どんな仕事やろう」と、あまりどのような体験記か把握できませんでした。
その後、再び別の書店で見かけ背表紙の説明書きを見て「なるほど、借金を返済していない人に電話をして返済をお願いする仕事なのか」とようやく認識。
作者は就職難の時代に就活をし、更に気弱な性格からどこの会社にも落ちてしまう日々が続きます。
やばい……このままじゃ職に就けない……。
そんな作者がようやく受かった会社、そこはクレジットカードの代金を返済していただくよう、お客様にお願いするオペレーターのお仕事でした。
といっても入社した当初は配属された部署が立ち上がったばかりで、わたしたちが想像するようなパソコンなどの便利な機器は一切なく、目の前にあるのは電話だけだったそうです。
なんだなんだこの状況は……。
作者はアタフタしますが、しかし動揺している間にも、どんどん電話をかけ続ける光景が。
ご入金とは、言い換えれば借金を返してほしい、というお願い。
電話の向こう側にいるお客様たちは、それぞれ用途は違えどクレジット会社にお金を立て替えてもらっている状態。す…すみません、すぐに返済いたしますというような言葉がかえってきそうですが、聞こえてくるのは怒鳴り声や泣き声、さらには脅しなども頻繁にあったそうです。
朝早くから深夜まで電話をかけ続け、上司には成績のことでチクチク言われ――。
そんな生活を続けるうちに、いつのまにか同僚も一人二人と次々に去っていき、ストレスでお肌もボロボロに……。
そのような状況から、年間2000億円の債権を回収するまでの苦難と挑戦の話。
お客様に怒鳴られたり、仕事を友人に怖いと馬鹿にされても、そこにやりがいを見出していくこと、すぐ新しい景色を求めるのではなくいまここで生きてみること。もちろん無理はよくないけれど、考えたうえで、本心を尊重するという意味で。