*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「つくづくわたしは何も考えてこなかった」
2017.02.04
「かわいい夫」というエッセイを読んだ。
町の書店員として働く夫を「自分の目で」みつめる、愛おしいエッセイだ。
ハッとさせられる記述がたくさんある。
町の書店員として働く夫は収入が少なく、家計の多くを自身が稼いでいること。
それに対して、何の遠慮も悲しさももっていないこと。
夫はヒョロヒョロしていてか弱そうに見えるけれど、世間の「男らしい」価値観を求めるつもりなどないこと。
家事の多くを負担していても、夫を責めるのではなく、それぞれができることをやればいいこと。
夫の愚痴を言うと盛り上がる風潮があるにもかかわらず、男性側が妻の愚痴を言うのはタブーのような空気があること。
それらの考えは、あくまで著者の考えだ。
誰かに強要したり、正しいと主張しているのではない。わたしはこう思っていると、文章に責任をもって書かれている。
いろいろな考えをもった人がいて当たり前、多様性を認めるのが社会だから、と。
わたしも、のびやかな人になりたいと思った。