*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「意識下にもぐりこんだような」
2017.08.24
わからないことがおもしろく、わかろうとしなくてよかったなあとふわふわ浮かんで、気づいたら終わってしまっていた。
でもまだ終わっていないようでこのなんともいえない気もち、それから海辺の光景と夢と、生と死と、わからないだらけのもの。
というのはわたしが読み終えて書いたもので、それはいまも続いているけれど、徐々に時間がたつにつれ、というか読みながらもおもっていたけれど、意識下にもぐったような、そんなおもいにとらわれる小説だった。
というのも、日ごろ考えていることの大半は、じぶんでもさっぱりわからないものであることがほとんどだ。
たとえば風呂に入りながらどうしてか幼少期のなんてことない一日があらわれたり、また、歯を磨きながら昨夜ついていたテレビの台詞が頭をよぎったりして、かとおもえば数秒後には忘れ、にもかかわらずそれらが後日合体し、わけのわからないコラボレーションになり。
なんてことをおもうと、日々の大半は、不確かなもののなかで揺れているだけのような気もする。
この小説にはもちろん主人公がいるし、だから当然のようにわたしは「わたし」を追いかけるけれど「わたし」のすがたはまったくとらえることができず、気づけば夢のなか、かとおもえば生死の境、なんてことになっていたのだった。