yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

「私が食べた本」著者: 村田 沙耶香

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

「読書について読みながらあらためて考えていた」

2020.01.10

 


「私が食べた本」を読んだ。

 

印象的だったのは何度も脳とか内臓とか身体の一部が、感想にちりばめられていたことだった。当たり前のように在るけれど実は持ち主では制御できない肉体といういれものについて、とても興味を持たれているのが読んでいて感じられた。

それが、とても面白かった。

当然なのだけど、じぶんとは違った読み方だったし、あらためて読書とは本と読者との閉じられた空間で、でもその中は驚くほど自由で広くておなじ本を読んでいても似た感想を持っていたとしても、やっぱり掘り下げてみればそれらはまるで違うものになるだろうし、その時の生活の様子とか読んでいる場所とか、体調とか変化とか読むのは何度目なのかとか、ほんとうにいろんな要素が読む、の裏にはあるからじぶんのこれまでの読書体験もぜんぶは一度きりのものだったんだと思えて、なんだか過去の時間まで大切に思えたのだった。
また一方で、じぶんはこれほどに言葉に対して誠実に向き合えているだろうかとも思った。目、を大切に客観性をもって書くのを意識されていたとあって感情をすぐ爆破させてしまうわたしは、個人的にふだんから創作がすきなのもあってそうだよなあ、あの本もあの本も物語で感情の爆破が描かれてあったとしてもその感情の爆破が言葉に置き換わっていたから読み手であるじぶんに、信頼できる言葉として届いたのだよなあと今度は読むではなく書くについて考えながらの再びのしんみり。
これからはどんな体験が待っているんだろうな、やっぱりここ数年じぶんは読むのと書くのに救われてきたと確認できたこれもまた一度きりの、様々過去を振り返りながらの読書体験であった。