*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「本と過ごした時間は今でも宝物」
2020.01.30
「十歳までに読んだ本」を読んだ。
作家始め、様々な職業の方が思い出を書かれている。
本の紹介だけでなく、どんなきっかけで手に取ったか、どんな性格だったか、読んだことでどんな想像の世界に居たかなど。
中には、好きだった本も。
たとえば絵本「いやいやえん」。
あの赤い表紙をすごく覚えている。
それから児童文学「モモ」。
大人になってから再読したことで、
また違う風に読めたとあって、ついこの間じぶんも再読したところだったのでそうそう、と心で頷きながら。
また、怖いのに、辛い場面もあるのに読んでしまった、という経験も頷いた。
わたしも子どものころ、おそらくそれも十歳までだったとおもうが、犬木加奈子さんの「不思議のたたりちゃん」(この本には出てこない)という漫画を一巻だけお小遣いで手に入れて、ページをめくるたび怯えながらキエエエ!言いながらも繰り返し、読んでいたから。
いま読んでも怖いのかなあ、でもまた読んでみたいなあ。
それから、おなじ本について違う人が振り返るのもおもしろかった。当然といえば当然だけど、感想が違っていたから。
布団のなかで隠れて読んだり、友人の家で借りたり、一生懸命お金を貯めて買いに行ったり、図書館に通ったり、お母さんに読んでもらったりなど、記憶を振り返りながらのとっておきの一冊に対する思いはどれも、読んだことがなくとも、いつかの“夢中だった”ちいさな背中が見えるようでおもしろく読んだ。
また、いくつか読んでみたい本もできたし、明日からも、いつか今を迎える先で待ってるじぶんの為に思いきり背伸びして読むぞ、とおもえたのだった。