yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

マーク・トウェイン「トム・ソーヤーの冒険」

 

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章を転載していきます。

 

トム・ソーヤーの冒険ってこんな話だったのか」

2018.11.24

 

 


タイトルしか知らなかった「トム・ソーヤーの冒険」。

今回初めて読んでみたのだがそやったそやった子供の頃ってこんな感じで結構えげつないことも色々考えてたよなあとか思い出している時間が楽しかった。

悪さばかりしまくるけれど一方でちゃっかりもしているトム。毎日怒り狂ってるポリー伯母さんも内心ではトムのことが可愛くて仕方がない。真面目な弟よりもみんなの視線を集めまくるトム(シドあなたは決して悪くないのだよ)の数々のエピソードたくさん笑ったけれど特に好きなのはペンキ塗りのシーンで、伯母さんに仕事を頼まれたときにはこの世の終わりのように絶望していたにもかかわらず通り過ぎるみんなの好奇心をうまく煽って手伝わせ自分はもらった林檎を優雅にかじっているのだから声に出して笑いそうになった。

確かに子供の頃って初めはまったく興味なんてなかったのに誰かが楽しそうにしていたり珍しい雰囲気を出されると途端にやりたくなったりして、邪魔やからあっち行けといわれても何度目か分からない一生のお願いを行使してモップ掃除やら風呂掃除やら飛び付いてやったなあ(ただし一瞬で飽きる)。ああ毎度騙されるポリー伯母さん…憎めなさすぎるポリー伯母さん…

それから心の浮き沈みも最高だった。嫌なことがあると自分のお葬式を想像して酔う。酔い過ぎて参列者の泣き叫ぶシーンまで思い浮かべて恍惚とする。

あった。心当たりがありすぎたなんなら思いがヒートアップしすぎて死んだらそもそも葬式自体見られへんことなんて消え去っていた。からの五分後にはネルネルネールネで発狂していたり。

それからベッキー(気になる子)との子供なりの恋の駆け引き。見てもらいたくてとにかく目の前でふざけまくるトム気付いてるのに気付いてないふりをするベッキー可愛いすぎるやないか!

それからそれから二度と家になんて戻るか地元ともこれでおさらばだ!と固い決意で家出をするものの日が暮れるにつれて本間にこれでいいのかなあ駄目だよなあずばり僕は家に帰りたいと思っているけれどほかのふたりはどうだろうか言い出せないこの気持ち、みたいなことになってる場面も読みながらにやにやしてしまった。

猫を天井からぶらさげて先生のカツラをとってみたりなど読んでいるともはやいたずらどころではないので笑ってしまうのだが、でも子供の頃ってそうだった。さすがにカツラを奪い去ることはなかったがぜんぜん純粋無垢なんかじゃなかったし結構えげつないことも考えていたし大人の機嫌だってうかがいまくりだった。

なんてことを考えながら読んだ初めての「トム・ソーヤーの冒険」、凄く面白かった。「ハックルベリー・フィンの冒険」を読むのが楽しみになった。