*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「何気ない日々も」
2017.01.24
吉本ばななさんの「日々のこと」。
書かれているのは、どんな映画を観たとか、近所の銭湯が素晴らしいとか、おもしろい映画を観たとか、コロッケを食べたとかそんなようなこと。
読んでいてお腹を抱えて笑うこともなく、感動に打ちひしがれるわけでもないけれど、日々の記録は読みやすかった。
変化のない(ように見える)毎日を過ごしていると、自分自身まで価値がないように感じることってある。
このままでいいのか?
もっと成長とか、殻を破るとか。
変化がないといけないのでは?
目まぐるしい環境で頑張っている友人が輝いて見えたり。
けれど、じゃあなにも変わっていないかというと、つくるごはんも読んだ本も、あたらしい出会いなのだった。
あとがきには「若気のいたり」という題の、なんなんだこのとんでもない文章は……というような反省の文が切々と書かれている。
いわく、テーマもしぼれていないし、とにかく甘いのだとか。
とはいえ偶然にも今日、日々のことをぼんやり考えていたわたしは「みんなそうだよなあ、なんてことない日々も、そうでない日々も、幾度となく繰り返して、それが過去になっていくんだよなあ」なんて感慨深くなった。
そうやって読み終えたきょうもまた、私のいちにちなのだった。