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「貴重な随筆集」
2017.01.24
「白蛇教異端審問」は、著者の作品の中では珍しく、「日記」「書評」映画評」「ショートコラム」など、新聞や文芸誌に掲載されたものがまとめられている。
小説のタイトルが出てくると、あの物語にそんな背景があったんだなあ、なんて思ったり。
心揺さぶられたのは、タイトルにもなっている「白蛇教異端審問」。
ある作品に対する匿名での批判、また人間性まで貶めるような批評家に対しての反論だが、覚悟が伝わってくる。
連載されていた当時は、周りから止められたり「作品で返せばいいよ」と言われたこともあったのだとか。
現実は綺麗事ばかりでは生きていけないから、孤独、性、あらゆるものをとことん追求する著者の小説が、わたしは好きで、本書を読んでますますその思いが強くなった。