*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「それぞれの形」
2018.10.03
この本は、話題になっているときから読みたいなあと思っていた。
タイトルからは全体の内容があまり想像できなかったので、文庫化されたのをきっかけに手に取ってみることに。
刺さった。作者が、全力で恥と格好悪さと醜さをぶん投げていたから。
こうしたい。したくない。これでいい。これがわたしたちだ。これを普通とする。しないでおく。……というか普通ってなんだ。
わたしたちの在り方ってなんだ。
読みながら、いつのまにか自分自身にも問いかけていたように思う。
自分たちの視点から作っていくしかないということ。普通という呪縛からこの本は救ってくれた。
私も、救われました。
作者が辿ってきた道を追いながら、文章の心地良いリズムにのりながら、交差する本の中の光景と自分の過去。
夫との形。生徒との形。自分との形。
時に目を瞑りたくなるような葛藤とは裏腹に時間は淡々と過ぎていく。
気が付けばあっという間に読み終えていた。しばらくぼうっとなった。
他に出ている作品も読んでみたいなあと思う。