*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「布団のなかで冒険」
2019.03.18
以前読んだことがあったけれど、再読したら、より面白かった。
おそらく興味の対象が変わったからだと思う。
たとえば、わたしは夢に関して不思議で仕方ないことがあって、頻繁に登場する人物が小学校の同級生なのだが、あまり良い思い出がなかったのに、なぜか親しい間柄になっているのだった。
「夢だから」といってしまえばそれまでだが、あまりに毎晩登場するから、現実で、そのひとに対するイメージが書き換えられていたり、違う、あれはあくまでも夢のことだ、と慌てて訂正したりして。
また「これはわたしの夢だ」と認識できていることがあり、その際は好き放題万引きしたり「これはわたしの夢で、わたしが起きたらあなたたち消えますよ」と言い回ったりして(意地悪やな)、
これも眠りが浅いといえばそれまでだけど、単純に不思議だなあと思うし、夢ではもう長い付き合いになる人も多くて、そうなってくるとわたしにとっての「現実」とはなんだろうなあとか、だって夢というのは毎晩のことだから総合的に考えると……などと考え出すと止まらなくなってしまうのだった。
だからこのエッセイがいまの自分にはおもしろかった。
もちろんまったくおなじ話ではなかったけれど、作者が当時興味のあったこと、一度死を告げられたのち、息を吹き返したひとのインタビュー本を読んだ話とか、犬は人間の気持ちを結構深く察知している話とか前世の話とか、ドッペルゲンガーの話とか「偶然」とはほんとうに「偶然」なのかとか……。
関心のある「みえている」以外の世界の話で、読みながら心の奥に潜って考えるのがたのしかった。
たびたび紹介される本も(ユング?フロイト?なんじゃそらなわたしも)読んでみたくなった。
これを機にひとり読書リレーを開催して手に取ってみようと思う。
それから笑ってしまう話もたくさん。阿川弘之氏のことを
“瞬間湯沸かし器”
また「仲人は慎重に選べ」という章では
“皆さん、どんな事があっても小説家を仲人にしてはいけません。小説家に披露宴のスピーチを頼んではいけません。”
と締めくくられていてその原因となっているエピソードが、想像すると悲惨すぎるから可笑しかった。
ほかにも整形医にえくぼはつくれるのかと聞く話など、好奇心旺盛と書かれているけれど、ほんとうに飽きずに読めるので題が「眠れぬ夜に読む本」、となっているが最後まで一気読みしてしまったのでかえって目がさえてしまった。
出不精のわたしはあちこち散策される話も布団にいながら冒険できてたのしかったし、もっとほかのエッセイも読んでみたいなあ。
小説のほうも読まなくては。
おもしろかったです。