昨日は紅葉を見ながら歩きました。「まだまだかなあ」「早く見たいなあ」なんて言っていたのに、いつのまにかあっという間に色付いていて、木々たちの塗り絵に秋の訪れを感じながらテクテク。
このテクテクが心地よくて。
大人になってどこかに行く用事がないと、つまり目的地がないと出かけることが少なくなっていたけど、別にそんなの無くたっていいよなあと当てのない散歩を楽しんでいたのでした。
そして思い出していたのが子どもの頃の秘密基地。
住んでいた施設は大文字山の麓にあって、森の中を探索ばかりしていたのですが、その森は上に買いたような“心地良い”とかそんな生半可なものでなく、ふつうに猪が通るような場所でした。
だから今思えば危なさ満点なのですが、そんなの子どもの頃は気にしなかったわけで、むしろ猪やその他動物のために張り巡らされた金網も「痛いっ!」なんて言いながら時に血を流しながら潜って(笑)、まさに冒険を楽しんでいたのでした。
そしてそこにティッシュやらヤカンやら持ち込んで、新聞紙の上に座って、あたりを見渡せば「あら、なんて素敵なお家」といった具合で、“ここではないどこか”に移動できたみたいで、みんなでのぼせあがったようにパァーッと喜びながら「ここに住もう」「もう帰らんとこう」と言い合ったのでした。
そしてこの場所の存在は誰にも言っちゃダメと約束をしあって、コソコソ秘密を隠し持っているのが楽しかった。けれど翌日秘密基地に戻ってみたならば、雨によりぐちゃぐちゃになっていて、なんだか現実を突きつけられたようでシュンとなったなあ。
森の思い出は他にもたくさんあって、例えば都市伝説の四時ババを探しに行ったりだとか、その話はまた今度にして、でもきっと時間にすれば数年、数ヶ月、いやもしかしたら数日のことかもしれないのに、果てしない気持ちを抱えながらの森は記憶から消えないのでした。
では、また書きます。