yuriのblog

日々のあれこれや、小説・海外ドラマ・ゲームなど、好きなことについてたくさん書いていきます。

「浮き草デイズ」 たかぎなおこ

 

 

 

*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。

 

 

「夢に向かう全ての人に!勇気をもらえるイラストエッセイ」

2016.10.31



突然ですが、皆様には「夢」ってありますか?

「いつか歌手になりたい!」という職業としての夢をお持ちの方もいらっしゃれば、
「マイホームを買って、好きなインテリアに囲まれて暮らしたい」という人生の夢を思い描いている方もいらっしゃるでしょう。

かくいう私は、職業の面でいうとまだはっきりと「〇〇になりたい!」という断定した夢があるわけではないのですが、いつか自分の大好きな「書くということ」を、自信をもって仕事にできたらなぁという願望があります。
また、人生の夢においては「お気に入りの本ばかりを集めた書斎をもちたい」という夢があるので、少しづつコレクションを増やしている日々であります。

誰もあんたの夢に興味ないわ~!

と怒られてしまいそうなところですが、何が言いたかったかというと

「どんな夢にせよ、それに向かって努力した人には多かれ少なかれ過程がある」ということ。

きっと、その中でなりたい職業に就けなかった人もいれば、途中で思わぬ出会いがあって予想外の仕事をすることになった人もいらっしゃるでしょうし「私は〇〇になりたい!」などのハッキリとした目標ではなくとも、日常を過ごす中で「自分のやりたいことってなんだろう」「このままでいいのかな」と試行錯誤を繰り返しながら夢を探すケースも少なくないと思います。

そのように「夢」には一人一人のいろいろなドラマがあり、テストのように必死に数式を叩き込めば必ずしもいい結果が得られるとは限りませんよね。もちろんタイミングがぴったり重なって、あっけなく夢が叶ったというケースもあると思うのですが。

……と前置きが長くなってしまいましたが、今回ご紹介させていただくエッセイは、まさに今夢に向かって頑張っている人に読んでいただきたい「夢を仕事にするまでの奮闘エッセイ」です。

本書「浮き草デイズ」は、イラストレーターのたかぎなおこさんが夢を追いかけて上京し、なかなか仕事に結びつかない暮らしの中で様々なアルバイトをしながら奮闘する自伝エッセイ。可愛いイラストとともに繰り広げられる物語は、読んでいて苦しくもありますが、それでも諦めない姿に一緒になって戦っているような気分になります。

例えば作品の中で銀行口座を開設するおはなしがあるのですが、そのときはまだ夢を追いかけている段階で職業欄に書くことができず、トボトボ帰るたかぎさんの姿にはこちらもホロリとしてしまいました。

また、夢に向かって……とはいいつつも、一人暮らしの生活費や画材道具は必要不可欠。そのためにいろいろなアルバイトを経験されるのですが、中には少し変わったお仕事などもあり、「あら~ちょっと大丈夫かしら!?」なんてふうに、いつのまにかおばちゃん目線になるところも。笑(私の方がずいぶん年下です、すみません……!)

ですが、見栄を張らない正直な語り口とゆるいイラストに、いつのまにかすっかり感情移入してしまうので不思議です。

私がこの作品を読み終えたとき改めて感じたことは、今どんなに輝いて見える人にも過程があるのだなぁということ。当たり前といえば当たり前なのですが、心がささくれてしまっているとき「あ~あの人は夢が叶っていいよなぁ」と羨んでしまうことがあったので、物事を広い視野で見なければ……!と考えさせられました。

と同時に、何者になれたとしてもゴールではなく、そこからが始まりなのだということを教えてもらったような気がしました。

この「浮き草デイズ」は②まで出ており、①を読んで勇気をもらった方はぜひ続きも読んでみてほしいです。
あ、この作品はあくまでも「夢を仕事にするまでの過程」がメインとなっておりますので、こうすれば叶います!というような啓発本ではないです。

ですが、きっと読んだ方は一緒になって応援してしまう共に、その一生懸命な姿にパワーをもらえることでしょう。

他にも「マラソン」「ごはん」「一人暮らし」など様々なシリーズを出されているたかぎなおこさんですが、どれも本当に元気をもらえるものばかりなので、そちらも近いうちにレビューしたいと思います!