*以下の文章は、以前読書サイトにて投稿していたものになります。そのサイトが閉鎖される為、こちらに文章をうつしていきます。
「これを愛と呼ばずしてなんと呼びましょう」
2017.04.29
わたしはこれまで動物との関わりがなかったので、友人から写真を見せられても「あら~」「わ~」とごまかしていた。
嫌いというのではない。機会が皆無に等しかったので苦手にも達さない、言うなれば分からなかった。
動物関係の映画や本を手に取ることもなく、愛読している作家に猫好きが多かったけれど、読んでもきっと、分からないだろうと思っていた。
「今日も一日きみを見てた」を読み終えた。
動物の知識がないので知らなかったけれど、猫は猫でも、性格や習性はそれぞれ異なるらしく、トトちゃんは人見知りではあるものの寂しがり屋、なにか嫌なことがあっても大きな泣き声は出さず、じっと耐えているそうだ。
トトちゃんを飼うまで動物を飼ったことがなく、いつか飼うなら犬かなあと思われていたそうで、しかしいざとなると、なかなか踏ん切りがつかず、そんなとき漫画家西原理恵子さんの誘いがあって出会うことになったのだとか。
なんとその話があった際、おふたりは初対面で、どうして初めて会った相手に猫を譲ることになったのか書かれていたけれど、そのエピソードにはほろりとした。巡りあわせってあるのかもしれないというお話だった。
幼いころ、感情を表現することが苦手だったという角田さん。
トトちゃんのいじらしい性格と通ずる部分があったのだとか。
あるときトトちゃんが静かに、寝息をたてているのを見て思われたそうだ。
もうこれでいい、ほかになにもいらない、と。
もちろん、次の日になれば嫌なことや、その他様々なことはあれど、その一瞬だけは、心からの至福を感じた、と。
:追記 2023 08.14
もしかすると近いうちに、保護犬を家族に迎えるかもしれません。人生って、分からないものだなあ。