18歳までを京都で過ごし、つぎに大阪、兵庫に住んだりなど25歳あたりまでずっと関西で過ごしました。
それ以降は関西から離れて暮らしているのですがときどき地元っていうものになんだか憧れるというか、自分の地盤のような場所が欲しかったなあという思いにかられることがあります。
実家っていう言葉もそのひとつで、あとは「帰る」とか「帰省」とか。
人付き合いは上手くないから面倒なことも多々あると分かっているけれどその言葉に含まれているニュアンスというか、今ここではない場所が在るというふんいきに惹かれるのかもしれません。
でもそのたびに思い出す海外ドラマの登場人物がいて。それがグッド・ワイフのカリンダ・シャルマ。
はじめてグッド・ワイフを観たときは面白くって一気に見たなあ。あのドラマのどこが好きってユーモアが止まらないところ。裁判のシーンでもすごい笑えるんですよね。裁判官一人ひとりにも個性があって。あのドラマでわたしはアラン・カミングの虜になったんだ……。
って、話がそれました。
カリンダは法律事務所で働いている調査員の一人なのですがめちゃくちゃかっこいいんですよ。ファッションにも自分のスタイルがあって(ワンピースにロングブーツにライダースなど)ほとんどいつも手ぶらでちょっとした物は胸元から取り出したり、何者にも縛られていない感じで家の中もここに根ざして暮らしているというよりはいつでもどこへでも行けますよみたいな。じっさい逃げる場面があったのだけど荷作りもいっしゅんで(笑)
そんなカリンダのことをドラマを見終わったのはずいぶんまえのことなのによく思い出すのでした。
地元があって実家があって幼馴染がいたり、ときどき同級生とお茶したり……
その光景にちょっぴり未練はありつつもいまは別の場所で暮らしていてそして体調不良のとき人間関係も絶ってしまったけれど。
でも今日もウォーキングしていて思ったのは誰に会うでもない、誰も自分を知らない場所は風がふいていたのもあって清々しかったし、月並みな言葉だけれど自由だと感じた。
きっとこの地元コンプレックスはいいなあ、わたしも帰る場所が欲しいなあというのではなく、もう存在しない過去を100%完全に振り切れたわけではないからなのだろう。ふとした瞬間その諦めの悪い何%かが孤独となって訪れるのだろう。
としみじみしながらよく歩いた昼でした。
そしてそんな気持ちに時に襲われながらも今を生きよう、と。