引き続きおなじ作家の作品を読んだ。
欲望とは恐ろしくて、醜くて、汚くて、でも誰しも内に抱えていて、けれど平気な顔をして歩いている。
正直読み進めるのがしんどかった。
それくらい生々しい性の描写が続く。
性は生きることと繋がっていて、死も然り。
しんどかったのに数日で読み終えた自分にもまた、欲望はあって。
二組の夫婦の不倫の話と言葉にすればそれはそれで正解だけど、その世界を綺麗事なく文字にして、その人間の醜さを、滑稽さを読み耽ったのは自分にも漏れなく存在しているからだろう。
自由という言葉は聞こえはいいけれど、中身はそんな清純な物じゃない。
これから登場人物たちはどんな人生を歩むだろう。
読むのがしんどかったと書いたけれど、自分の中の、心の中の複雑さもまた、あって当然なのだと思えて静かに安心した気もする。
それにしても、次はもう少しライトな本が読みたいな。
けれど久しぶりに読書習慣が戻ったのは作者の文章のおかげで感謝しています。